IT営業 入門ガイド

BIツール「DOMO」完全解説

初めて DOMO を扱うIT営業のために — 概要・機能・競合比較・提案のコツまで
初心者向け BIツール DOMO 提案シナリオ付き FAQ付き
1DOMOとは何か?
ひとことで言うと
「社内に散らばるデータを一箇所に集めて、
誰でもグラフで見られるようにするクラウドサービス」
データ収集 → 加工 → 可視化 → 共有 を、ひとつのツールで完結させる
会社情報
創業2011年(米国ユタ州)
創業者Josh James(元Omniture CEO)
上場2018年 NASDAQ(DOMO)
日本展開2015年〜(Domo Japan)
顧客数世界2,400社以上
カテゴリクラウドBI / データ活用PF
DOMOが生まれた背景

経営者が経営判断に必要なデータを確認したいとき、 担当者にExcelを作らせ、メールで送ってもらうのが当たり前だった。

リアルタイムで数字を自分で確認できないか?」 という経営者の視点から設計されたのがDOMO。

そのため他のBIツールと比べて 「経営層が使いやすい」「モバイル対応が強い」 という特徴が根底にある。

営業ポイント: 顧客に「今、業績数字を見るのに何分かかりますか?」と問いかけてみよう。 「担当者に頼んで翌日もらう」「Excelを自分で更新している」という答えが返ってきたら、DOMOの出番。
2仕組みの概念図
DOMOのデータの流れ
各種データソース
Salesforce・kintone
DB・Excel・API等
コネクタ(1000種以上)
自動連携・定期更新
ノーコードで接続
Magic ETL
データ加工・整形
ドラッグ&ドロップ
ダッシュボード
グラフ・KPI表示
社内共有・モバイル対応
アクション
アラート・承認・入力
見るだけでなく動ける
従来の課題(DOMO導入前)
  • SFA・基幹・ECなど複数システムのデータがバラバラ
  • 担当者がExcelで手作業集計 → 時間がかかる
  • 月次レポートで判断 → 問題が後からしか分からない
  • データを見られるのは一部の人だけ
DOMO導入後の変化
  • 全システムのデータを自動で一元集約・リアルタイム更新
  • 担当者がExcel集計から解放される
  • 異常値が出たらSlackに即時アラート
  • スマホから経営者・現場・社外パートナーもデータ参照可
3主な機能 — 営業で使う説明ポイント
🔌

コネクタ(データ接続)

Salesforce・kintone・Google Analytics・各種DB・Excelなど1,000以上のシステムと標準でつながる。追加費用なし。

差別化ポイント
⚙️

Magic ETL(データ加工)

複数のデータを結合・集計・クレンジングする処理をドラッグ&ドロップで設定。SQLを書かなくてよい。

ノーコード
📊

ダッシュボード

150種以上のグラフ・KPIカードを組み合わせて画面を作成。モバイルにも自動対応。

直感操作
📐

Beast Mode(計算式)

「粗利率」「前月比」など独自の計算指標をSQL的な構文で定義できる。集計ロジックをデータ側に持てる。

上級者向け
🔔

アラート・通知

売上が目標を下回ったら即Slack通知、など条件を設定するだけ。問題の早期発見に使える。

運用自動化
🤖

Domo.AI(AI機能)

「先月の売上上位10社は?」と日本語で質問するとグラフを自動生成。AutoMLで予測分析も可能。

最新機能
初心者向けTips: 機能を全部説明しようとしなくてOK。顧客が抱えている課題に合わせて 「その課題ならこの機能で解決できます」という1点突破の説明が刺さる。
4競合比較 — Tableau・Power BIとの違い
比較項目 DOMO Tableau Power BI(Microsoft)
コンセプト データ統合〜共有を
クラウドで一体化
高度な可視化・
分析に特化
Microsoftエコシステムと
の強連携
データ準備 DOMO内で完結 Prep等が別途必要 Power Queryで対応
コネクタ数 1,000以上(標準) 数百種 数百種
モバイル対応 専用アプリ、強い 参照は可能 アプリあり
分析の深さ 一般的な分析は対応 最も高機能 高機能
対象ユーザー 経営層〜現場まで広く データアナリスト向け IT部門・全社向け
コスト感 高め(要問い合わせ) 中〜高 低め(M365連携)
導入のしやすさ ノーコードで素早く 習熟に時間要 M365ユーザーは早い
オンプレ対応 クラウドのみ あり あり(Report Server)
DOMOが勝ちやすいシーン:
・複数のSaaSデータを素早く統合したい
・経営者・営業がスマホで数字を見たい
・IT部門が少なくノーコードで運用したい
・「データ活用を全社に広げたい」フェーズ
DOMOが負けやすいシーン:
・すでにMicrosoft 365を全社導入済(Power BIが安い)
・高度な統計・予測分析がメイン(Tableauが深い)
・オンプレミスデータしか使えない環境
・コストが最優先の中小企業
5提案シナリオ — 業種・課題別
🏢 シナリオ①:営業部門の数字管理に悩む会社

あるある課題

顧客の声:「月初に先月の売上レポートが出てくるが、月末に何が起きていたか分からない。Salesforceは入れているが、集計レポートを担当者が毎週Excelで作っている。」

DOMOの提案

提案の切り口:SalesforceのデータをDOMOに自動連携し、 リアルタイムで案件進捗・売上達成率・担当者別KPIをダッシュボード化。 Excel集計工数をゼロにし、マネージャーがスマホで毎朝数字を確認できる状態に。
👔 シナリオ②:経営者がデータを即座に見たい
顧客の声:「業績を確認したいとき、経理や担当者に数字を出してもらうしかない。急いでいるときに待たされるのがストレス。」
提案の切り口: 基幹システム・EC・マーケティングツールのデータをDOMOに集約し、 「社長専用ダッシュボード」を作成。出張先でもスマホで売上・在庫・顧客動向をリアルタイム確認。 DOMOはもともと「経営者のために作られたBI」という背景が刺さりやすい。
🏭 シナリオ③:製造業でSCM・品質データを可視化したい
顧客の声:「生産ラインのデータ、在庫データ、品質検査データが別々のシステムにあり、横断的に見るのが大変。問題が起きてから気づく。」
提案の切り口: 基幹システム・IoTセンサーデータ・品質DBをDOMOに連携し、 生産・品質・在庫を一画面で管理。異常値をリアルタイムアラート。 現場タブレットからでも確認できるため、工場フロアでのデータ活用が進む。
提案の鉄則: 「DOMOはこんなことができます」ではなく、 「今どんな課題がありますか?」から始める。課題を聞いてからDOMOの機能を当てはめるのが刺さる順序。
6顧客からよくある反論・質問と返し方
Q 「Power BIがMicrosoft 365に入っているから、それで十分では?」
A Power BIはデータの可視化には優れていますが、データ収集・加工は別途対応が必要です。DOMOは1,000以上のコネクタを標準で持ち、Salesforceや各種SaaSのデータを自動収集から可視化まで一気通貫で対応します。「Excelで手集計している工数をゼロにしたい」「SaaS横断のデータを統合したい」場合はDOMOの方が早く立ち上がります。
Q 「コストが高そう。費用はどのくらい?」
A DOMOは公式にはユーザー数・コネクタ数・データ量に応じた見積もりとなり、個別見積もり制です(目安:数百万円/年〜)。ただし比較すべきはツールコストだけでなく「現在のExcel集計・レポート作成にかかっている人件費」です。月10〜20時間の工数削減でROIを示すと納得感が得られます。
Q 「導入・運用が難しそう。IT部門が少ないが使えるか?」
A DOMOはノーコードを前提に設計されており、データ接続・ダッシュボード作成はドラッグ&ドロップで行えます。専任のエンジニアがいなくても、業務担当者がダッシュボードを作・更新できる事例が多数あります。また、Domo Japanによるトレーニングプログラムやパートナー支援も充実しています。
Q 「セキュリティは大丈夫か?社外にデータが出るのが心配」
A DOMOはISO 27001・SOC 2 Type II等の国際セキュリティ認証を取得しており、金融・医療分野での採用実績もあります。データはAWS上で暗号化管理され、アクセス権限は行・列単位で細かく制御できます。社内システムとのデータ連携はAPIまたはDomo Connectorを使い、データをDOMOに「コピー」する設計になっています。
Q 「Tableauとどう違うの?Tableauを検討している」
A Tableauはデータ分析・可視化の深さが強みで、データアナリストや専門家向けです。DOMOは「全社員がデータを見て動ける」ことを目的としており、コネクタによるデータ収集・共有・アクションまで含んだプラットフォームです。「分析チームが使うツール」か「経営〜現場まで全社で使うツール」かで選択肢が変わります。
7商談前チェックリスト
ヒアリング項目(初回商談)
  • 現在使っているBIツール・レポートツールはあるか
  • データ集計・レポート作成に何時間/月かかっているか
  • どのシステム(SFA・基幹・EC等)のデータを見たいか
  • 誰がデータを見るか(経営者・マネージャー・現場)
  • モバイルでデータを見たいニーズはあるか
  • IT部門・データ担当者の人数は
  • 意思決定スピードの課題を感じているか
競合調査ポイント
  • Power BI / Microsoft 365の導入有無を確認
  • Tableauの検討・利用状況を確認
  • kintone等のSaaS利用状況(コネクタ活用余地)
  • Salesforce利用有無(相性が良い)
  • 既存の基幹システム・DWHの有無
  • クラウド移行・DX推進方針の確認
  • 予算感(PoC・本導入の予算規模)
8知っておくべき頻出キーワード
BI(Business Intelligence)
経営・業務データを分析・可視化して意思決定に役立てる仕組みの総称
ETL
Extract(抽出)→ Transform(変換)→ Load(格納)。データを集めて加工して使えるようにする処理
コネクタ
DOMOと外部システムをつなぐ標準の接続部品。1,000以上が提供されている
DWH(データウェアハウス)
分析用に最適化されたデータ格納庫。DOMOは内蔵DWHを持つ
ダッシュボード
複数のグラフ・KPIをまとめた一覧画面。経営者や現場が一目で状況を把握できる
Beast Mode
DOMO独自の計算フィールド定義機能。粗利率・前月比などをSQL的に設定できる
KPI
Key Performance Indicator。重要業績評価指標。売上・訪問数・CVR等
PoC(概念実証)
本格導入前の小規模試験導入。DOMOは無償トライアル・PoCから入りやすい
Domo Appstore
業種・用途別のダッシュボードテンプレートを提供するマーケットプレイス